産業翻訳には時間がかります。翻訳者が1日に処理できる単語の数は、2,000~2,500単語。3000単語もできれば上出来です。産業翻訳の案件には、必ず納期があります。しかも短納期が常に求められます。
発注するお客様は外国語の資料を一刻も早く読み、製品開発に役立てたい、投資の判断材料として役立てたい、取材資料をテレビ番組の放映日時に間に合うように知りたいなど、翻訳にスピードを求めています。企業間の競争が激しくなると、あらゆる面でスピードが最優先されてきます。3日で1000ページの資料を翻訳して内容を知りたいとお客様がいたとします。これを人の力だけで行うとしたらどうなるでしょう。
例えば、1,000ページの資料に10万単語あったとしましょう。3日で仕上げるという翻訳依頼の場合、
100,000単語 ÷ 3日 = 約34,000単語/日
この単語を処理するのに必要な翻訳者の数は、
34,000単語/日 ÷ 2500単語/日/人 = 約14人
14人の翻訳者を投入すると3日で作業を終了することはできます。ただし、14人分のコストがかかります。
仮に翻訳会社に支払う単語あたりの単価を15円とすると、
15円 x 100,000単語 = 1,500,000円
つまり、翻訳料金は1,500,000円になります。このような案件が頻繁に出る企業にとっては、気軽に翻訳を外注することはできません。
ここで、時間とコストのことを考えると機械に頼るしかありません。深層学習適応型PangeaMT ECO のアップロードボックスにファイルをドラッグ&ドロップすると、自動で翻訳をしてくれます。前述のファイルであれば、その日のうちに翻訳が終わっています。
例えば、WORDファイルをアップすると、翻訳されたワードファイルが出力されます。しかも、レイアウトは、オリジナルファイルとあまり変わりません。もちろん、日本語と英語の文章の長さが異なるので、レイアウトが崩れるところも散見されますが、レイアウトの修正は、訳文を読む目的によって異なります。内容を知りたいだけであれば、レイアウトの修正は最小限に抑えるのが良いでしょう。
収集した情報の鮮度が落ちる前に翻訳をするには、機械翻訳が必須であることは、誰もが認めるところですが、訳文の精度はどうでしょうか?
海外の翻訳会社から日本語の品質を確認して欲しいという相談がありました。翻訳者が機械翻訳にかけて手直しもせずに納品した。そこで、訳文の見直しをしてもらえないかという案件でした。日本文を読むと確かにひどいことが1行目からわかりました。試しに英文を機械翻訳にかけてふたつを比べてみると、その訳者の日本文は、機械翻訳にかけたものより、はるかに劣悪でした。そこで、全文を書き直して納品しました。
機械翻訳の訳文が読めないというのは、昔のことです。PangeaMT ECO のディープラーニング エンジンなら、原文と訳文がペアになったデータ(翻訳メモリ)を使って学習を重ねることで精度は著しく向上します。